流行している病気

■溶連菌感染症

 毎年2〜7月、10〜12月に流行します。主に幼稚園や保育園、学校などで流行します。発熱、咽頭痛などの症状がでて、時には嘔吐、発疹、頚部リンパ節腫脹などをともないます。咽を綿棒で擦る迅速検査で容易に診断できます。

 治療は抗菌薬を処方します。大部分は翌日に解熱し、他の症状も速やかに軽快します。抗菌薬は再発予防のため10日間はしっかり服用する必要があります。

 以前は溶連菌感染症で急性腎炎を合併することが多かったので、原則としてペニシリン服用後、2週間ほどして尿の検査を行います。

■アデノウイルス感染症 

 39〜40度以上の高熱が4〜5日続きますが、人によって腹痛、下痢、結膜炎、鼻水、咳、結膜炎の症状を伴うこともあります。「咽頭結膜熱」、あるいは「流行性角結膜炎」と診断されることもあります。特別な治療はありません。安静、適切な水分と栄養の摂取で通常は4~5日以内で解熱します。夏にプールで流行ることもあり、別名「プール熱」とも言われます。

■RSウイルス感染症 

 毎年10月から翌年の3月ころまで流行します。一般的に鼻水、咳、発熱などの症状が出ます。1歳未満、とくに6ヵ月以下のお子さんは重症になることが多く、咳、鼻汁、呼吸困難となり、しばしば入院加療が必要になります。1歳以上は入院になることはそれほど多くありませんが、熱が3〜5日続き、咳がひどくなって、本人も家族も辛い思いをします。しかし残念ながら特異的な治療や有効なワクチンはありません。安静、保温で様子をみるしかありませんが、当院ではアレルギー性素因や喘息をお持ちのお子さんには、オノンやキプレスなどのアレルギーのお薬、ムコダインやムコソルバンなどの去痰薬、症状がひどいときにはデカドロンエリキシルなどを処方します。

未熟児で生まれたお子さんや心臓疾患などをもっているお子さんには、感染予防のためにモノクロナール抗体の治療薬「シナジス」を毎月1回、10月から3月まで注射します。

■マイコプラスマ感染症 

 発熱、咳などのかぜ症状が4〜5日以上としつこく続くのが特徴です。幼稚園や学校で感染することが多いですが、家族内の感染もあります。時々肺炎にもなります。また発疹をともなうこともあります。診断には血液検査が必要なこともあります。治療にはクラリスやジスロマック,ミノマイシンなどの抗菌薬を用います。